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2004年8月21日 (土)

夢をあきらめなかった羊飼いの少年  『ジョットという名の少年 羊がかなえてくれた夢』

 ジョットは、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂の壁画やパドヴァのスクロヴェニー礼拝堂の壁画を描いたイタリアの画家として、700年以上経た今も世界中にその名が知られています。

 ジョットは、農家の羊飼いの少年でした。当時、子どもも一家の労働の担い手だったのです。羊飼いの少年は、将来画家になりたいという夢を持っていましたが、誰にも語らず、黙々と羊飼いの仕事をこなしていました。
 羊飼いの少年が後世に名を遺すほどの有名な画家になれるとは誰が思ったでしょう。羊飼いの仕事の合間にジョットは、石で絵を描き続けました。夢中で絵を描いていて、一匹の子羊がいなくなっていることを父親から知らされ、ひどく叱られます。
 
 絵を描くことがただただ好きな羊飼いの少年が、当時の有名な画家チマブーエと知り合い、その才能が認められます。ジョットは、いなくなった子羊を探すことよりも、チマブーエにもらった顔料で、羊を岩に描くことに我を忘れて専念します。 その絵を母羊と思ったのか、いなくなった子羊が戻ってきました。まるで生きているように見える羊を岩に描いたことがきっかけとなり、8歳だった少年ジョットは、近い将来画家チマブーエの弟子にしてもらえることになりました。

 ジョットという羊飼いの少年が、有名な画家ジョットになるまでの日々を、宗教画の雰囲気を漂わせる挿絵を通して知らされ、心の底から感動しました。
 羊飼いの少年の夢は、長い間心の繭に包まれていましたが、脱皮した後、有名な画家ジョットとして大きな飛躍を遂げました。夢がどんな形で叶うかは人智でははかり知れないものかもしれません。蛹の時期は、前途が見えず真っ暗闇かもしれませんが、それでもひたすら夢を持ち続けていると、いつか脱皮して、美しい蝶のように羽ばたける日が来るのではないでしょうか。夢をあきらめないことの大切さを教えられた貴重な一冊です。(以上、まざあぐうすが、2004年08月21日付にてbk1に投稿したレビューです。)

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