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2005年11月

2005年11月30日 (水)

初めてのクリスマス絵本

クリスマスって なあに Book クリスマスって なあに

著者:ディック=ブルーナ
販売元:講談社
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 うさぎのミッフィーシリーズで有名なディック・ブルーナが、聖書の記事に基づいて語るイエス・キリストの生誕物語。羊飼いと羊、天使、馬屋と星、ヨセフとマリア、みどりごのイエス様、そして、東方から来た三人の博士の絵だけが描かれています。
 クリスマスは、神様のひとり子イエス様が生まれ日であること、そして、その誕生をお祝いする日であることが短く分かりやすく語られています。シンプルな絵と聖書に忠実なストーリーが魅力の絵本です。
 聖書のお話を理解するのが難しい3歳未満の幼い子ども達にクリスマスの由来や意味を語る時、ぴったりの絵本ではないでしょうか。初めてのクリスマス絵本としてお勧めします。

(以上、ほのぼの文庫管理人まざあぐうすが2005/11/30、bk1に投稿した書評です。)

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『クリスマスのものがたり』~クリスマスを語る絵本の最高傑作として一押し♪

クリスマスのものがたり (世界傑作絵本シリーズ―日本とスイスの絵本) Book クリスマスのものがたり (世界傑作絵本シリーズ―日本とスイスの絵本)

著者:フェリクス・ホフマン
販売元:福音館書店
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 スイスで活躍し、世界的にも有名な絵本作家であるフェリックス・ホフマンの遺作となったクリスマスの物語。
 大天使ガブリエルによる受胎告知に始まり、エジプトへの逃避行、そして、ナザレへの帰郷に至るまでが、聖書の記事(マタイによる福音書2:1〜23、ルカによる福音書1:26〜40)に基づき忠実に描かれています。
 フェリックス・ホフマンは、『おおかみと七ひきのこやぎ』を三女に、『ねむりひめ』は次女にというように、わが子や孫たちのために絵本作りを始め、その後も『ながいかみのラプンツエル』『七わのからす』、『うできき四人きょうだい』や『つぐみのひげの王さま』『おやゆびこぞう』など、グリム昔話の美しい絵本を数多く手がけています。
 グリム昔話を描き続けたホフマンが人生の最後に選んだイエス・キリストの降誕物語、ホフマンのキリストに寄せる思いと画業の全ての結実と思えるすばらしい絵本です。
 クリスマスを語る絵本の中の最高傑作と言っても言い過ぎではないと思います。芸術的にもすぐれ、聖書に忠実な語りが見事な絵本、子ども達だけでなく大人の鑑賞にも十分に堪える崇高な美しさを備えています。

(以上、ほのぼの文庫管理人のまざあぐうすが2005/11/30、bk1に投稿した書評です。)

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2005年11月 9日 (水)

『クリスマスのまえのばん 改訂新版 』~クリスマスを迎える喜びを描いた神秘的で美しい絵本

ターシャテューダー クリスマスのまえのばん Book ターシャテューダー クリスマスのまえのばん

著者:クレメント・クラーク ムア
販売元:偕成社
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 『クリスマスのまえのばん』は、神学者、そして、文筆家であるクレメント・クラーク・ムーアが、自分の子どもたちのために、オランダの伝承とそのお祭りを元として作ったA Visit from St. Nicholasという詩にターシャ・テューダーがイラストを添えた絵本です。

 原詩は、今から180年ほど前のアメリカで発表されて以来、「八頭立てのトナカイに乗ってやってくる小人のサンタクロース」というイメージが定着したと言ってもいいほど有名な詩です。
 クリスマスを楽しみに子ども達が寝静まった頃、小さな八頭のトナカイとやってくる小人のサンタクロース、八頭のトナカイの名前が「ダッシャー・ダンサー・プランサー・ビクスン・コメット・キューピット・ダンダ−・ブリッツェン」と詩の中で呼ばれているところなど、原作者であるムーアの細やかな心遣いを感じます。そして、サンタクロースに出会うのが子ども達ではなく、大人である「とうさん」であることも、子どもの頃、サンタクロースを信じていた「とうさん」に再び夢を見せてくれるムーアの思いやりでしょうか。愛と喜びと神秘に満ちた詩です。
 クリスマスを描くためにターシャ・テューダーが厳選した詩であることを感じます。原詩もすてきですが、中村妙子さんの七五調の日本語訳がとてもリズミカルで愉快に読み進むことができます。
 この絵本は1999年にターシャが全面的に絵を描き直した最新版、原詩に忠実に描きながら、ターシャ・テューダーのクリスマスの世界を巧みに描き込んだ神秘的で美しい絵本です。
 表紙をめくると、その裏にはターシャが愛するコーギ犬達がハーブやトランペットを弾き、クリスマスを祝っています。雪に包まれた家や木々の風景は、ターシャの住むバーモント州の雪景色を思わせます。ページごとに美しい縁取りをされた絵の中に、ターシャが住む18世紀のニューイングランド様式の住居の隅々が描かれているようです。暖炉やキッチンに置かれた用具、ベッドや家具調度類、全てが繊細に描かれています。
 煙突から飛び出したサンタクロースは、コーギ犬を撫で、猫やふくろうと戯れる小柄で陽気なおじいさん、私たち人間だけでなく、ネズミやウサギ、犬や猫、小鳥など小動物にも訪れるクリスマスを迎える喜びが余すところ無く描かれているのではないでしょうか。
 クリスマスを迎える喜びを描いた神秘的で美しい絵本としてお勧めの一冊です。

(以上、ほのぼの文庫管理人のまざあぐうすが2005/11/02、bk1に投稿した書評です。)

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