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2009年1月27日 (火)

思い出の絵本 No.3 『はじめてのおつかい』

  娘は点頭てんかんという重い病と知的なハンディを抱えて生まれてきました。抗てんかん剤の副作用で、昼間も眠っていることが多い乳幼児期でしたので、少しでも楽しいことを増やしてあげたいと思って始めたのが絵本の読み聞かせでした。ノンタンのシリーズ「ぐりとぐら」のシリーズがお気に入りでしたので、絵本が破れるほど読みました。

 5歳年下の弟が1歳になった時でした。保育園で読み聞かせをしてもらったことがきっかけとなったようで、娘が『はじめてのおつかい』を保育園の図書コーナーから借りて来ました。娘が、自分から進んで本を借りるということは、初めてのことでしたので、びっくりしました。保育園の年長組の時でした。
 ストーリーが長いし、言葉が多いので集中力が続くだろうかと心配しながら、読み聞かせをしましたが、1歳の弟も娘もにこにこ笑いながら、最後まで聞いてくれました。

 表紙のみいちゃんの笑顔がとってもすてきです。『はじめてのおつかい』の絵本をすぐに購入しました。毎日のように読み聞かせをしているうちに、しばらくすると、みいちゃんの言葉を娘がたどたどしい発音ながら、真似するようになりました。その言葉を聞いて、弟が笑っています。微笑ましい姉弟の関わりでした。
 林明子さんの絵は、絵そのものが、語りかけてくれるようです。『はじめてのおつかい』と出会って以来、言葉の理解が困難な娘にとって、絵本は言葉を覚えるために欠かせない存在となってゆきました。 
 
 『はじめてのおつかい』を読み続けて半年ほど過ぎた頃、夕方、豆腐屋さんのラッパが聞こえると、私が持っていたボウルとお金をくれるようにせがみました。娘にボウルとお金を渡すと、階段を降り、豆腐屋さんのバイクの前に並んで、自分の順番が来ると、大きな声で「おとーふ、くらさーい」と言いました。ベランダから、その姿を見ていて、うれしくなり、涙があふれてきました。10数年経て、絵本はぼろぼろになりましたが、娘にとっての「はじめてのおつかい」は、私にとっては、いつまでも朽ちない思い出です。 

 『はじめてのおつかい』は、言葉を獲得してゆく過程の幼い子ども達にとって、画期的な一冊ではないでしょうか。また、年齢に関係なく、みいちゃんと「はじめてのおつかい」の緊張と達成感を共にできる明るく楽しい絵本ではないでしょうか

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