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2009年1月28日 (水)

右手の障害を受け入れて、前向きに生きるさっちゃんの姿が健気です。  『さっちゃんの まほうのて』

 さっちゃんの右手には5本の指がありません。さっちゃんのような子ども達は、医学的に「先天性四肢障害児」と呼ばれています。さっちゃんは幼稚園のすみれぐみ、もうすぐお姉ちゃんになります。
 

 ある日、幼稚園のままごと遊びで「おかあさん」になりたいと言ったさっちゃんに、友達のまりちゃんが「さっちゃんは おかあさんには なれないよ! だって、てのないおかあさんなんて へんだもん。」と言います。まわりにいた友達も「そうよ!」「へんだよ!」と言いました。さっちゃんは深く傷つき、幼稚園に行けなくなってしまいました。
 

 さっちゃんの手の障害を子ども達はどのように見詰めているのでしょうか。また、さっちゃんは、どのように自分の障害を受け入れてゆくのでしょうか。

 絵本ができあがるまでに5年以上の年月がかかったそうです。丹精を込めて描かれた田畑精一さんのイラストと身を絞るように綴られた文章が心の奥底に伝わってきます。
弟が生まれてお姉ちゃんになったさっちゃんの立ち直ってゆく姿が、生き生きと描かれています。この絵本を読んだら、誰もがさっちゃんを好きになり、心の底から応援したくなるでしょう。

 「おかあさんのだいすきな さちこの かわいい かわいいて なんだから・・・。」というお母さん。「さちこのては まるで まほうのてだね。」というお父さん。さっちゃんに「障害」を語るご両親の言葉のひとつひとつが心に残ります。人間である以上誰もが心身に障害を負う可能性を秘めています。手に障害を抱えたさっちゃんの心の葛藤と成長、そして、さっちゃんを見守るご両親の気持ちを多くの人に知っていただきたいと思いました。

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