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2009年2月 7日 (土)

台湾の作家ジミーさんの描く場所〜光と影が交錯する中で、人の孤独が美しく描かれている  『君のいる場所』

郊外の古いアパートの隣に住んでいる彼女と彼
 彼女は、どこへ行くにも左へ曲がる癖がある
 彼は、どこへ行くにも右へ曲がる癖がある
 隣に住んでいる彼女と彼が会うことはなかった

 彼女は、悲しい小説を翻訳している
 彼女は、ときに、世界は悲しみにあふれた場所だと感じる
 彼は、ヴァイオリンを弾く
 彼は、ときどき自分がからっぽで無力だと感じる

 ふたつの平行線が天使の力で交わった
 公園の噴水の前で出会った彼女と彼
 胸躍る午後を過ごしたふたり
 大粒の雨の中、電話番号のメモを交わして別れた

 雨ににじんで見えなくなった文字
 左に曲がる彼女と右に曲がる彼と
 隣に住んでいても
 ふたりは会えない

 壁のない牢獄のような都会
 疲れと閉塞感の中で
 つかの間の思い出がきらめいている
 彼女と彼が確かにいた場所

 ふたりで過ごした午後の思い出とともに
 季節が巡る
 季節の中で揺れ動く彼女と彼の心
 人を想って揺らぐ心は、切なく悲しく美しい

 光と影の交錯する中で
 人の孤独が
 美しく描かれている
 台湾の作家ジミーさんの描く美しい場所

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