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2009年2月 2日 (月)

荒井良二さんの刻むゆったりとした時間  『バスにのって』

 バスに乗って遠くへいくために、一人でバスを待っている人がいます。

照りつける太陽と小さなバス停
広い空とそよっと吹く風
ラジオから聞こえてくる音楽
トントンパットン
トンパットン
 

 トラックが過ぎ、馬に乗った人が過ぎ、自転車に乗った人が過ぎ、いろんな人が通り過ぎて、夜になりました。バスを待っている人も眠り、ラジオも眠ります。朝になりました。トントンパットン トンパットンとラジオから、再び音楽が流れ始めます。照りつける太陽と小さなバス停、広い空とそよっと吹く風、そして、ラジオから聞こえてくる音楽、それだけしかない世界です。バスは来るのでしょうか。バスに乗って遠くへ行けるのでしょうか。そんなことすら忘れてしまうほど、のんびりとした時間が流れています。

 音楽のトントンパットントンパットンのリズムに乗って、ゆったりとした時間が流れてゆきます。照りつける太陽と小さなバス停、広い空とそよっと吹く風、そして、ラジオから聞こえてくる音楽、たったそれだけの世界ですが、なぜかそんな世界が恋しくなりました。多くのものに囲まれ、多くのことに煩わされて過ごしている内に私たちは、いつの間にか物事を複雑にしてしまったのではないでしょうか。トントンパットントンパットンのリズムに合わせて、単純に時を過ごしてみたらいかがでしょう。

 『バスにのって』は、荒井良二さんの刻む時がゆったりと流れている絵本です。

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