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2009年2月 1日 (日)

コーギビルの村まつりを巡る愉快なお話  『コーギビルの村まつり』

コーギビルは、アメリカの絵本作家ターシャ・テューダーが描いた想像上の世界です。
 ニューハンプシャーの西、バーモントの東にある村で、教会とホテル、郵便局と雑貨店、それに戦争記念碑があって、コーギ犬と猫とウサギとボガートが住んでいます。
 ボガートは、スウェーデン生まれのトロルという妖精の一種、オリーブ色の体に水玉模様のあるあやつり人形のような陽気な妖精として描かれています。
 物語は、コーギビルで、クリスマスの次に楽しい「村まつり」のお話です。
 村の長老さんのスピーチ、祝砲、コーギビル音楽隊のファンファーレとともに始まった村まつり、最大のイベントはヤギのグランドレースです。
 コーギ犬のブラウン家と猫のトムキャット家の対決が予想される中、ちょっとした事件が・・・。銀貨100枚の入った大きな優勝カップがかかっています。レースに出場するために、ヤギのジョセフィーンを調教してきたコーギ犬のケイレブに、優勝を狙うエドガー・トムキャットが何か企んでいるようです。
 さて、レースの結果はどうなるのでしょう。
 コーギビルの村の風景、住人である動物や妖精の姿、村まつりの様子、どれもが細部まで丁寧に描かれています。想像上の世界ではあっても、コーギ犬、ウサギ、猫など登場する動物たちも村の風景も全てが現実の世界のきっちりとしたスケッチを基に描かれていることが感じられます。
 ターシャは、1830年代のニューイングランドの暮らしにあこがれ、バーモント州の自然に囲まれて、当時の生活様式を守りながら暮らしています。『コーギビルの村まつり』にはターシャの愛する古き良き時代の村まつりの様子がリアルに再現されています。
 原作の発行が1971年、ターシャ56歳の頃に完成した作品です。完結編とも言われている『コーギビルのいちばん楽しい日』を書き上げたのが87歳ですから、「コーギビル・シリーズ」三部作には、絵本作家としてターシャの人生をかけた並々ならぬ思いが感じられます。
 『コーギビルの村まつり』は、シリーズの第一作、コーギビルの村まつりを巡る愉快なお話です。

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