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2009年2月 7日 (土)

人間の根源的な孤独が、美しいイラストと洞察に満ちた言葉で描かれている絵本 月とで出会った孤独な少年の物語  『君といたとき、いないとき』

 夜の町は人工の照明にあふれています。夜の闇を照らす月は、孤独なのかもしれません。昼を照らす太陽は、植物の光合成、温度の確保のために科学文明が発達した現在も人間から実質的に必要とされています。夜を照らす月は、どうでしょうか。
 月は美しい。月は、昔も今もその美しさゆえに人の心を照らしているのかもしれません。もし、その月が姿を消したとしたら…どうなるでしょうか。

 孤独な月が、孤独な少年のもとにやってきました。偶然のようで、必然の出会い。人工の月があふれる町で、本物の月と出会い、孤独な少年の心は癒されてゆきます。月とともに過ごした記憶は、時の流れの中で、少年の成長とともにどのように変容してゆくのでしょうか。
 月は僕だけの月だったはずなのに、空に帰った月は、世界中のみんなを照らしています。「ひとりじゃないよ」と教えてくれた月のそばに行きたいと思うのが人情でしょう。「ひとりじゃないよ」と教えてくれたのが、もし、人間の誰かだったら、少年の孤独は、もっと違った形で癒されていたのかもしれません。

 『君といたとき、いないとき』は、人間の根源的な孤独が、美しいイラストと洞察に満ちた言葉で描かれている絵本です。見えなくても存在する、記憶が薄れても確かに存在する大切なものが、この世の中には存在することを教えてくれます。

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