韓国の住居と家族を美しく描いた絵本 『マンヒのいえ』
主人公のマンヒは、絵本の著者であるクォンさんの息子がモデルとなっています。マンヒ達一家は、狭いアパートから祖父母の住む水原(スオン)の広い家に引っ越すことになりました。水原は、韓国の首都ソウルの南にあります。
アンバン(ざしき)、台所、納屋、チャンドクテ(納屋の上の甕を置くところ)、庭、玄関、お風呂、マル(リビング)、屋上、お父さんの部屋、マンヒの部屋…と、たくさんの部屋があり、3匹の犬が飼われているマンヒの祖父母の家の中をマンヒの家族の姿と共に眺めることができる絵本です。
韓国の伝統的な置物や飾り、戸棚、そして、コチュジャンガメのように韓国独自の調味料、玄関の扉の上に飾られているタカのお札など韓国の人々に古くから愛されてきたものを随所に見る事ができます。
韓国の住居が描かれている絵本として、女優の黒田福美さんが翻訳された『うさぎのおるすばん』も併せて読みましたが、『うさぎのおるすばん』はマンヒ達が転居前に住んでいた家の様子に近いのではないかと思われます。2冊の本を通して、現在の韓国の人々の住まいや暮らしの様子が、とても身近に感じられました。
『マンヒのいえ』は、タイトルページに絵地図が、巻末に住居の俯瞰図が描かれていて、ゆったりと住居を見つめることができます。絵の美しさもさることながら、そこに住むマンヒの家族の満たされた表情にほのぼのとした気持ちを味わうことができます。韓国の住居と家族を美しく描いた絵本としてお勧めの一冊です。
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