ターシャ・テューダーコレクション
私が好きな絵本作家のターシャ・テューダーさん(米絵本作家、園芸家)が、2008年6月18日、米東部バーモント州マルボロの自宅でお亡くなりになりました。享年92歳。
米ボストン生まれ。1938年『パンプキン・ムーンシャイン』でデビュー。ストーリーだけでなく、情感豊かで繊細な挿絵も人気で「ターシャ・テューダーのマザー・グース」や「ひつじのリンジー」など数多くの作品を残しました。作品の多くが日本でも翻訳されています。
----『パンプキン・ムーンシャイン』----
ハローウィーンの日に、コネティカットのおばあちゃんの家に遊びに来ている小さな女の子シルヴィー・アンは、かぼちゃちょうちんを作るために、りっぱにまるまるとふとったかぼちゃを探しに丘の上の畑に向かいました。
おともは犬のウィギー。はぁはぁ息を切らしながら丘を登ると、刈り取ったとうもろこしの間に見事なかぼちゃが見えました。まるまると太ったかぼちゃは重くて持ち上げることができません。シルヴィー・アンは雪だるまを作る時の要領でかぼちゃをころがしてゆくことにしました。
ところが、丘の端まで来て、下り坂が始まると、かぼちゃはころがりはじめました。ぼん!ぼん!ぼ、ぼーん!はずみをつけてころがってゆきます。やぎやにわとりやがちょうを驚かせ、どんどんころがる大きなかぼちゃ。
シルヴィー・アンとウィギーとかぼちゃは、無事におばあちゃんの家に辿りつくのでしょうか。それは、この絵本を読んでのお楽しみ。
アメリカで最も愛されている絵本作家ターシャ・テューダーの処女作。日本では初期傑作の絵本11冊が、内藤里永子さんの翻訳によって、2001年から2002年にかけて「ターシャ・テューダークラッシックコレクション」として出版されました。
同コレクションにはシルヴィー・アンが登場する絵本が他に4冊あります。「がちょうのアレキサンダー」 や「こぶたのドーカス・ポーカス」、「おまつりの日に」、「ひつじのリンジー」。
いずれも豊かな自然と動物たち、そして、小さな女の子シルヴィー・アンが生き生きと描かれています。『パンプキン・ムーンシャイン』は、ハローウィーンにお勧めの一冊。自然への深い愛に満ちた愉快なお話です。
| 固定リンク
「003 ターシャ・テューダー」カテゴリの記事
- 『もうすぐゆきのクリスマス』 子どもたちだけでなく、小さな小鳥やねずみたちをも明るく照らし出すクリスマス絵本(2005.10.09)
- 『人形たちのクリスマス 』~幼い頃の「魔法の不思議を信じる心」を思い出させてくれる美しい絵本(2005.10.19)
- 『クリスマスのまえのばん 改訂新版 』~クリスマスを迎える喜びを描いた神秘的で美しい絵本(2005.11.09)
- 牛飼いの少年ロビンと白い羽の雁の妖精の束の間の出会いを描いた物語(2009.02.01)
- ターシャ・テューダーコレクション(2009.02.01)
「111 ほのぼの日記(読書日記)」カテゴリの記事
- 大人の絵本を愉しむ会 (2014年6月21日)(2014.08.28)
- ホームページ「夏泉湧語」(2011.07.30)
- 久しぶりの読書と映画鑑賞(2011.07.27)
- 新年のご挨拶(2011.01.01)
- 冬のような寒さ(2010.10.29)
「<絵本>」カテゴリの記事
- 絵本『絵巻 万葉ものがたり』(阿見みどり/画・文)(銀の鈴社)のご紹介(2023.01.09)
- 『しまふくろうのみずうみ』~幼児から大人まで魂を揺さぶるような感動を与える美しい絵本(2021.03.21)
- 古田節子文/山岡勝司絵『すみれベーカリーのカナリアパン』(銀の鈴社)(2019.05.04)
- 山福朱実『ヤマネコ毛布』絵本原画展@ブックスキューブリック箱崎店(2016.07.23)
- 手から手へ展 第一会場&大人の絵本を愉しむ会(2014.02.16)
コメント