うさぎ好きのあなた、猫好きのあなたへお薦めの絵本 『うさぎのマシュマロ』
翻訳者の劉優貴子さんは、ボストンのお気に入りの書店で、こねこのミトン、こいぬのバーキス、そして、うさぎのマシュマロと出会います。1930年代後半から1940年代にかけて出版されたクレア・ターレ・ニューベリーの絵本が復刻された出版フェアーでのことでした。
ニューベリーの描く動物たちは、とにかく優しくかわいい。半世紀以上経た私たちの視覚にもニューベリーの動物に対する優しさが感じられます。「うさぎのマシュマロ」では、うさぎとねこの出会いから、仲良くなるまでの過程が、ニューベリーの繊細なイラストと言葉で描かれています。うさぎのマシュマロとこねこのオリバーのお話は事実に基づいて書かれていることが、翻訳者の劉氏とニューベリーの娘さんとの出会いの中で確認されています。
家政婦のティリーさんにかわいがられていたオリバーのもとに、突然連れてこられたマシュマロは、まだ幼く母親が恋しいうさぎでした。ティリーさんはオリバーのこと、マシュマロのことを折に触れて、詩に綴ります。
劉氏のリズミカルな詩の日本語訳が、生き生きとオリバーとマシュマロの様子を伝えているように感じます。
二匹の動物たちがどんな風に仲良しになってゆくかは、この本を読んでのお楽しみですが、わが家でもスピッツの白ちゃんとシャムネコの赤ちゃんチイちゃんとの関わりを実際に経験しました。生まれたばかりのチイちゃんは手のひらに乗る位の大きさでした。ちょっと目を離したすきにいなくなり、必死で探しました。
何と白ちゃんの犬小屋の中で白ちゃんにくるまれるようにお昼ねをしていました。白ちゃんにとっては侵入者であるチイちゃんをくるんでくれた白ちゃんの愛情を感じた日々を思い出した暖かい一冊です。
ウサギ好きの方にも、猫好きの方にも、たまらないくらい可愛いニューベリーのイラストをお楽しみください。
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