« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009年6月11日 (木)

奇想天外な夢の絵本 ― ヘンな気分だけど元気いっぱいの朝だよ!

ヘンなあさ (キラキラえほん 7) Book ヘンなあさ (キラキラえほん 7)

著者:笹 公人
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 眠りの波の朝凪が訪れるように目覚めて、また、眠りについて、それまで見ていた夢の世界に入っていくようなことがたまにありますが、この絵本には、そんな夢が大胆に描かれています。

 子ども部屋のベッドに眠っている男の子は、小学校一年生位かな。
 大好きなメロンの夢を見ています。そのメロンが一体どこにあると思いますか。それも山ほど積まれているのです。そんな夢から覚めて、もう一眠り。あれれ?? 今度は、お母さんが宇宙服を着て、宇宙船の中に登場、そして、その宇宙船の着陸地点が何とも愉快。
 
 男の子は、「こわいゆめでも みていたの? はやく がっこうへ いきなさい」と言うお母さんの声で、まさに奇想天外な夢から目覚めました。
 あれ? ゆめか。というヘンな気分、そして、学校に向う男の子は、元気いっぱい。絵本の最後のページで、校長先生の頭の真ん中に貼られたバンドエイドが、またしても愉快なのです。 
 夢か現か。見た夢を思い出すことって案外難しいものではないでしょうか。こんなに奇想天外な夢を見て覚えていたら、この絵本の僕のように私もきっと元気になるだろうなぁ。

 そんな夢を思いついたのは一体誰でしょう。
 それは、歌人で、ミュージシャン、ラジオDJとしても活躍中の笹公人氏。しかも、初めての絵本です。言葉がリズミカルに語られているのは、短歌で鍛えた語感にあるのでしょうか。子どもも大人も楽しめる絵本として、お薦めします。

続きを読む "奇想天外な夢の絵本 ― ヘンな気分だけど元気いっぱいの朝だよ!"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

名作における新訳の必要性 原作を超える力 ― 曽野綾子訳『幸福の王子』(バジリコ)の最後の一文に寄せて

幸福の王子 Book 幸福の王子

著者:オスカー・ワイルド
販売元:バジリコ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 小説『ドリアン・グレイの肖像』や戯曲『サロメ』で世界的に有名なイギリスの小説家、劇作家、そして、詩人でもあるオスカー・ワイルド(Oscar Wild 1854ー1900)の童話『幸福の王子』に出会ったのは、30代の初めに勤務していた女子高の速読の授業でテキストとして用いた"The Happy Prince and Other Stories"(PUFFIN CLASSICS)を通してでした。
 ワイルドは"The Happy Prince and Other Tales"と"A House of Pomegrantes"という二つの童話集を30代で出版しています。中でも『幸福の王子』は、文学史上の名作の一つとして、年齢層を問わず全世界で愛読されている作品です。

 2006年に"The Happy Prince"を翻訳した曽野綾子氏が本書の「あとがき」で「近頃の人々は読書をしなくなった。もし一人の人間が生涯でたった一冊しか本を読まなくなり、それも聖書のような或いはドストエフスキーのような重く長い作品は読めないということになったら、その時、そのたった一冊に選ぶのは、私なら『幸福の王子』だ。もっともほかにも数編そうした未練を残す作品はあるが、さし当りこの作品から選ぶだろう。」(47p)とまで絶賛しています。

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫) Book 幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)

著者:ワイルド
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 

続きを読む "名作における新訳の必要性 原作を超える力 ― 曽野綾子訳『幸福の王子』(バジリコ)の最後の一文に寄せて"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 7日 (日)

上田真而子氏講演会 ― ナルニア国10周年記念連続講演会児童文学で世界を巡る・第1回

 今日は、ナルニア国10周年記念連続講演会児童文学で世界を巡る・第1回―上田真而子氏講演会を聴講しました。主催は、教文館子どもの本のみせナルニア国です。

 講演題 “いま思うこと これまで訳してきた本を手がかりに”
 
1 生きていることのおもしろさ、生きる悦びを― 本で!
 『マクスとモーリツのいたずら』や『きつねのライネケ』
 前者は、いたずら好きの子ども達、残酷な話として総じて批判的な受け止め方をされたが、せめて本の中だけでも子ども達にいたずらをさせてもよいのでは? また、後者については、「教訓のない物語」と評されたが、それでもよいのでは?

きつねのライネケ (岩波少年文庫) Book きつねのライネケ (岩波少年文庫)

著者:小野 かおる,ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2 伝わるということ、追体験ということ ― 本で!
 『あのころはフリードリヒがいた』『彼の名はヤン』
 本を読むということは、言葉でもう一つの世界に入ってゆき、追体験をすること、現実に帰ってきたとき、自分の世界に奥行きができる。

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520)) Book あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

著者:ハンス・ペーター・リヒター
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

彼の名はヤン Book 彼の名はヤン

著者:イリーナ コルシュノフ
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

3 言葉での表現―言葉から生まれるもの、養われるもの、言葉のふしぎ。
 『はてしない物語』
  名づける=真の関係が生まれる、言葉から養われる感情が存在する
(現在、言葉が痩せている、感情が痩せているのではないかと危惧している。本を読むことで得られる世界は、量的な世界ではなく、質的な世界である。)

はてしない物語 Book はてしない物語

著者:ミヒャエル・エンデ
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 『おくればせの愛』
 資料に基づかず、全て自分の感情に基づいて書いた作品。
 書いている内にひとりでにペンが動き、書くこと(言葉)を通して、父の思い出と出会い、父との和解を果たす。
 資料に基づいて書いていたら、ここまで読者に訴える作品とはならなかったのではないか。書くことの不思議を感じる作品。

Book おくればせの愛

著者:ペーター ヘルトリング
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

続きを読む "上田真而子氏講演会 ― ナルニア国10周年記念連続講演会児童文学で世界を巡る・第1回"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年6月 4日 (木)

瀬田貞二の世界(@教文館子どもの本のみせナルニア国)

 今日は、恵泉銀座センターでヘンリ・ナウエンの講座の受講日でしたので、帰りに教文館の子どもの本のみせ ナルニア国のギャラリー展示:瀬田貞二の仕事に立ち寄りました。

 瀬田貞二さんの年譜、作品紹介の他、業績を振り返るパネルが展示されています。

 「ナルニア国ものがたり」「指輪物語」は、瀬田貞二さんの翻訳でなければ、これほどまで日本で愛読されなかったのではないかと思っていましたが、今回の展示を見て、63歳でお亡くなりになるまで、編集、翻訳、創作、研究と子どもの本の世界で広範囲の業績を遺されていることを改めて知りました。

「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り Book 「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り

著者:C.S. Lewis,C.S.ルイス,瀬田 貞二
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

文庫 新版 指輪物語 全10巻セット Book 文庫 新版 指輪物語 全10巻セット

著者:J.R.R. トールキン
販売元:評論社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 また、俳句を嗜まれていたことを知り、翻訳文や絵本の語りの滑らかさと日本語の美しさの源泉ではないかと思いました。必見は、ご自身が描かれた原画。まどみちおさんが本格的に絵画創作をなさっていたのとは違って、親しみを感じるタッチの絵でした。

 会期:2009年5月30日~6月28日

 新刊の『瀬田貞二 子どもの本評論集 児童文学論(上・下)』を購入しました。既刊の『瀬田貞二 子どもの本評論集 絵本論』『落穂ひろい(上・下)』も購入したいと思いながら、お財布の中身と相談して、今回は諦めました。

児童文学論―瀬田貞二子どもの本評論集 Book 児童文学論―瀬田貞二子どもの本評論集

著者:瀬田 貞二
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 1日 (月)

アンネ・フランク生誕80年 アンネの屋根裏部屋再現(@ホロコースト記念館)&アンネのバラ解説プレート(by アンネのバラ友の会)

 今年はアンネ・フランク生誕80年。

 『アンネの日記』を書いた14歳の少女アンネも生きていれば80歳のおばあちゃん。生涯現役で、世界の平和を願い、様々な活動を展開していたのではないかと想像しています。

 ナチスを逃れて、アムステルダムで過ごしたアンネの屋根裏部屋が、広島県福山市にあるホロコースト記念館の新館 (新ホロコースト記念館の2階)で再現されているそうです。裏庭にはアンネの立像があり、傍に形見のバラが咲いているとのこと。詳細は、新ホロコースト記念館のHPにてご覧下さい。 

 今年も、わが家のベランダにアンネのバラが咲き始めました。アンネのバラSouvenir de Anne Frank は、『アンネの日記』に共感したベルギーの園芸家が、15歳で生涯を終えたアンネをしのび作出し、アンネの父のオットー・フランクに贈った新種のバラです。
 日本にはオットー氏より1972年のクリスマスに京都の聖イエス会・嵯峨野教会に初めて苗木が贈られ、その後は平和と人類愛のシンボルとして、各地の教会、学校、公園などで広く植えつがれています。

Photo_4Cimg2066_2 5月27日埼玉新聞12ページにアンネのバラ友の会が作成したアンネのバラ解説ミニプレートが紹介されたそうです。わが家のプランターにもいただいたプレートを掲げてみました。

Photo_5

―アンネのバラ友の会・さいたま― c2roseanne.blog32.fc2.com

<アンネのバラ・友の会>は写真展やミニコンサートなどを通じて、アンネのバラに共感する人々の学びと交流の場を提供する個人参加の市民グループです。バラの苗木の普及や公共施設への寄贈も行っています。 連絡先:qqu94wkd@gmail.com 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »