原爆を記憶にとどめるために 思い出の絵本 No.10 『八月がくるたびに』(追記あり)
毎年8月7日に読む『何とも知れない未来に』の古本が届きましたので、例年より遅れて読み始めました。
日経新聞「春秋」欄に、林京子さんの小説『長い時間をかけた人間の経験』の中の70歳を間近に語った被爆者としての思いが引用されていていました。同じく引用されていた串田孫一氏の「未来は先へと逃げるが、過去はいつでも現在に雪崩れ込む」という言葉と重なり、戦争の惨禍が本人はもとより幾世代にもわたって続くことを思いました。
小学校4年生のころ、夏休みの課題図書を通して初めて原爆というものを知った思い出の絵本。(おおえ ひで・作 篠原勝之・絵)『八月がくるたびに』(71年版)、現在販売されている愛蔵版とは異なるもののようです。
初版について詳しく書かれたブログ「二筋縄。」のO-Maruさんのご了承を得ましたので、「おおえ ひで・作 篠原勝之・え『八月がくるたびに』(71年初版)」の記事をリンクさせていただきます。
今の子ども達に与えるショックを配慮して、愛蔵版はリニューアルされたのではないかと思いますが、原爆の真実を伝える迫力という点で初版の方がすぐれているように感じます。
| 固定リンク
「<思い出の絵本>」カテゴリの記事
- 2013年度10回(2014年1月)正会員ゼミ「アメリカ絵本の黄金期⑧ ロバート・マックロスキー 講師:工藤左千夫」(2016.03.22)
- 思い出の絵本 No.12 、『あのね、サンタの国ではね…』サンタクロースの一年がほんわかとあたたかく描かれている絵本〜サンタクロースを信じている子ども達に一年を通して読んであげたい絵本(2005.01.07)
- 思い出の絵本 No.11 『八月がくるたびに』初版、名作の愛蔵版、新・名作の愛蔵版を再読して思うこと(2009.09.12)
- 原爆を記憶にとどめるために 思い出の絵本 No.10 『八月がくるたびに』(追記あり)(2009.08.09)
- 思い出の絵本 No. 9 久しぶりの読み聞かせ 『100万回生きたねこ』 (2009.02.13)
「[戦争と平和]」カテゴリの記事
- テレジンの小さな画家たち・詩人たち(2013.11.17)
- 原爆を記憶にとどめるために (2012.08.09)
- (シャロン・ドガー著・野沢佳織・訳)『隠れ家 アンネ・フランクと過ごした少年』(岩崎書店)(2012.03.20)
- 原爆を記憶にとどめるために 8月9日長崎原爆の日(2010.08.09)
- 平和への祈りと明日への希望 ~「テレジンの小さな画家たち詩人たち」~@北九州(2010.08.07)
コメント