戦火を逃れたお雛様
4月10日(土)、児童文学作家の日野多香子先生と絵本『はこちゃんのおひなさま』の作家である丸田かね子さんと3人で、須坂市にある小池千枝コレクション 世界の民族人形博物館を訪れました。
はこちゃん(丸田かね子さん)の疎開先のおじさんの家に届けられたことで東京大空襲の戦火を逃れたお雛様です。昭和20年代のお雛様ですが、きれいなまま保存されていました。
戦争から60年あまり経た今、丸田さんの絵本の中で甦り、こうして世界の民族人形博物館のショーケースの中で毎年、この時期に展示されることになったお雛飾り。
ショーケースに入ったお雛様を見ながら、幼かりし日の丸田さんにお雛様を託された不思議な計らいを感じ、絵本もお雛様も後世に残って欲しいと思いました。
きっとお雛様も喜んでいることと思います。同館では、折しも三十段雛飾り 千体の雛祭りの会期中にて、高さ6m、30段の雛壇とつり雛100本の約1千体のひな人形が展示されていました。
写真は三十段雛飾り、見事な美しさでした。でも、どうやって飾ったのかしら?と整然と並べられたお雛様を上の階の喫茶室から眺めました。
館内には、古くは享保雛から、昭和初期のお雛様、そして、現代のお雛様まで、1000体近くのお雛様が展示されていました。たくさんのお雛様に囲まれて、女の子に戻ったような気分を味わいました。
善光寺にお参りして、近くにある長野県信濃美術館 東山魁夷館に立ち寄りました。
長野では桜が咲き始め、あたたかい一日、お雛様や東山魁夷の絵画の美しさと咲き始めた桜や満開の杏の花を眺めて、心が満たされた一日でした。
絵本『はこちゃんのおひなさま』のアルバムはこちらです。
追記:『はこちゃんのおひなさま』が全国学校図書館協議会の選定図書に加えられました。
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コメント
読ませていただきました。
児童文学をとおして、歴史、人間の心象を深く捉えていこうとする作家さんとの交流やまざあぐうすさんのご活動は読んでいて大変勉強になります。
いい旅でしたね。
投稿: emi | 2010年4月15日 (木) 07時38分
コメントをいただきありがとうございます。
児童文学の学びを通して出会った皆さんは、問題意識を持って創作を続けていらっしゃるので、教わることがたくさんあります。
長野で過ごした一日の中で、戦争のことやこれからの児童文学作品の在り方など考えさせられました。
emiさんのブログをお気に入りで拝見しています。
信念を持ってお子様に向き合っていらっしゃるので、きっとすてきなお仲間に出会っていらっしゃることと思います。
『はこちゃんのおひなさま』、雛祭りの時期にお子様方に読んでいただけるとうれしいです。
投稿: まざあぐうす | 2010年4月15日 (木) 12時48分