ことばの世界を楽しく、豊かに! ~雨の音をユニークなオノマトペで表現した絵本~
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ぴっつんつん 著者:後路 好章,武鹿 悦子 |
雨の音って、どんな風に聞こえますか?
わたしは、佐野洋子さんの絵本『おじさんのかさ』の「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン」という歌を雨が降るたびに思い出します。
『ぴっつんつん』は、「あめが つんつん ぴっつんつん」という語りではじまり、「ぴっつん つつーん ぴっ つん つん」で終わります。「じゃぶじゃぶ ばちゃばちゃ」や「べちゃべちゃ びちゃびちゃ ぐちゃんぐちゃん」のような音のあとに、「ぴっつんつん」とリズミカルなオノマトペが続きます。「べちゃべちゃ びちゃびちゃ」という雨の音なら、私もよく聞きます。でも、「ぴっつんつん」と聞こえたことはありません。
雨の降る音が、「ぴっつんつん」と聞こえるなんて、何とすてきな感性でしょう!「あめあめ すんすん すんすんすん」など、雨の音をユニークなオノマトペで表現した楽しい絵本です。
発声にハンディを抱えた子ども達やことばにハンディを抱えている子ども達に、読んであげたいと思いました。自由に、好きなように、音を発していいんだよと、この絵本が教えてくれそうな気がするからです。
ユニークなオノマトペで描かれた絵本に、庄司三智子さんの『もちもちおもち』や『どんどん とんとん チャチャチャ』などがありますが、音を楽しみながら、コミュニケーションの手段としてのことばの世界に近づいていくことができたら、ハンディのある、無しに関わらず、子ども達のことばの世界が豊かになるのではないでしょうか。
私も、絵本の中で出会った雨の音で、憂鬱な雨の日を楽しむことができそう!ことばの世界を楽しく、豊かにしてくれる絵本として、『ぴっつんつん』をお薦めします。
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