2013年度10回(2014年1月)正会員ゼミ「アメリカ絵本の黄金期⑧ ロバート・マックロスキー 講師:工藤左千夫」
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小学校4年生の時、夏休みの課題図書で読んだ『八月がくるたびに』を8月9日に再読しようと思って、図書館に予約を入れて、届いた本が記憶に残っている本と絵の雰囲気が違っているような気がして、改めて、図書館から初版(1971年)、名作の愛蔵版(1978年)、新・名作の愛蔵版(2001年)を取り寄せて再読しました。(8月9日原爆を記憶にとどめるためには、こちら。)
3冊の表紙の写真です。名作愛蔵版1978年から表紙の絵が変わっています。文章(語り)は細かいチェックはしていませんが、同じでした。初版の表紙の強烈な印象が今でも残っていましたので、イラストの雰囲気が大きく変わっています。名作愛蔵版と新・名作愛蔵版のイラストはだいたい同じでした。初版は、全体を通して、やや抽象的で個性的なイラストです。原爆の悲惨さを絵が強烈に語っていることを感じます。どちらのイラストも芸術性は高いものだと思います。
本を開いて標題のページから、初版は抽象的で強烈な印象が残りますが、愛蔵版→新・愛蔵版へと具体的なイメージになってきていることを感じました。初版は戦後25年目、以後、戦争からの年月を経るにつれて、子ども達に具体的なイメージを提示していく必要があって、描きかえられたのかもしれません。これからの子ども達に長く読み継いで欲しいという願いから、こうした改編がなされたのかもしれません。
きぬえちゃんが山下のおばさんに着せてもらった赤いワンピースのイラスト、きぬえときよしの父帰還のイラストです。(いずれも右側が初版、左側が愛蔵版)
長崎の被爆体験を語った児童文学作品として、再版されて30余年・・・原爆を語ったことに意義がある作品でもありますが、物語としてもすぐれているから読み継がれてきたのだと思います。今年の8月9日、40年ぶりに愛蔵版を再読したときには、初版のイラストを懐かしく思う気持ちが強かったのですが、3冊を比べながら再読してみて、イラストの具体化を通して、『八月がくるたびに』の愛蔵版、新・名作愛蔵版に今の子ども達への配慮を感じました。(配慮が成功している例ではないかと思います。)また、新・名作愛蔵版は文字が大きくなって読みやすくなっています。
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毎年8月7日に読む『何とも知れない未来に』の古本が届きましたので、例年より遅れて読み始めました。
日経新聞「春秋」欄に、林京子さんの小説『長い時間をかけた人間の経験』の中の70歳を間近に語った被爆者としての思いが引用されていていました。同じく引用されていた串田孫一氏の「未来は先へと逃げるが、過去はいつでも現在に雪崩れ込む」という言葉と重なり、戦争の惨禍が本人はもとより幾世代にもわたって続くことを思いました。
小学校4年生のころ、夏休みの課題図書を通して初めて原爆というものを知った思い出の絵本。(おおえ ひで・作 篠原勝之・絵)『八月がくるたびに』(71年版)、現在販売されている愛蔵版とは異なるもののようです。
初版について詳しく書かれたブログ「二筋縄。」のO-Maruさんのご了承を得ましたので、「おおえ ひで・作 篠原勝之・え『八月がくるたびに』(71年初版)」の記事をリンクさせていただきます。
今の子ども達に与えるショックを配慮して、愛蔵版はリニューアルされたのではないかと思いますが、原爆の真実を伝える迫力という点で初版の方がすぐれているように感じます。
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大学受験真っ最中の息子が、昼ごはんを終えたとき、『100万回生きたねこ』ってどんな絵本だったけ?!と言うので、書棚から持ってきて、久しぶりに読み聞かせをしました。最後に読み聞かせをしたのが、中二のときでしたから、4年ぶりです。
どうやら、百合(小説or漫画)に引用されていたから思い出したようですが、何はともあれ18歳の息子に読み聞かせを再びできたことで幸せな気分に浸っています。
『100万回生きたねこ』は大人にも、子どもにも愛されるすばらしい絵本だと思います。
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僕だけの星、私だけの星があったら…と思ったことはありませんか?
この絵本の主人公は、星が大好きな男の子です。男の子は、毎晩星をながめながら、「ぼくだけの ほしが あったらなあ」と思っていました。そして、星と友達になった時のことをいろいろと想像しています。いっしょに かくれんぼを したり、いっしょに いっぱい さんぽを したら、どんなに すてきだろうって、思うのでした。
男の子は星をつかまえられるかどうかやってみることにしました。
さて、男の子が見つけた「ぼくだけのほし」は一体どんな星でしょう。
私たち大人が、どこかに置き忘れてしまった純粋な心を思い出させてくれる絵本です。
お子さんと一緒に、絵本の中で星を探してみませんか。あなたは、そして、お子さんは、どんな星を見つけるでしょうか。読み終えた時、きっと、やさしい気持ちになるでしょう。
中学2年生になった息子に「もう読み聞かせはいいよ・・・」と言われ、最後に読み聞かせた思い出の絵本です。
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赤羽末吉さんの絵本のすばらしさを教えてくれたのは、二人の子ども達でした。たまたま保育園の図書コーナーから娘が借りてきた『ほうまんの池のカッパ』(銀河社)という絵本を当時5歳の娘と生後6ヶ月の息子に読み聞かせると、滅多に笑わない赤ん坊だった息子が声を立てて笑い、知的な障害を抱えている娘も一緒に笑いながら最後まで聞いてくれました。以来、何度繰り返して読んだことでしょう。
源平絵巻物語全10巻(偕成社)も幼い息子が見つけてくれた絵本です。「ママ、ほうまんの池のカッパの人の絵だよ。読んで」と言います。今西祐行さんの語りと日本画家である赤羽末吉さんの絵が見事に調和した現代のすばらしい絵巻物語です。
赤羽末吉さんの美しい絵と今西祐行さんの誠実な語りを通して、お子さんと一緒に義経の生涯を辿ってみませんか。
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幼い娘が通所訓練施設の図書コーナーから借りてきた思い出の絵本です。点頭てんかんという重い病を抱えて生まれてきた娘には知的なハンディがあります。乳幼児期は、抗てんかん剤の影響で、眠っていることが多く、起きている時もぼーっとしていました。そんな娘に何か楽しみを見つけてあげたいと思って始めたのが絵本の読み聞かせでした。
ノンタンのシリーズに始まり、「ぐりとぐら」のシリーズ絵本…それからの展開が中々できない娘に変化が訪れたのは、隣接する公立の保育園との統合保育が行われている通所訓練施設に通い始めたのがきっかけでした。
同じ年齢の健康な子ども達と接する中で、絵本や紙芝居の読み聞かせを受け、楽しみを共有する内に、友達の真似をして、自分で絵本を借りてくるようになったことです。初めて借りて来た絵本は、『はじめてのおつかい』という絵本と思っていましたが、当時つけていた「読み聞かせのメモ」を辿ると初めて借りて来た絵本は、『ほうまんの池のカッパ』でした。(以前、思い出の絵本ーNo,3で、で初めて借りて来た絵本が『はじめてのおつかい』だったと書いていましたが、当時のメモを辿ると私の記憶違いであることに気がつきました。これからは、思い出の絵本は、当時のメモを見ながら描き続けたいと思います。)
表紙の絵の大きな男は、とらまつ。種子島一の力持ち、力も強いし、釣りも上手と自分のことを得意気に自慢しています。
とらまつが、ある日、ほうまんの池で、釣りの魚をおかしな手に奪われます。「ワラビが あたまを だすように、ぬくりん、ぬくりんと、 おかしな てが たくさん はえて でた。」という具合に椋鳩十さんのオノマトペを生かした語りに、娘は魅了されたようです。当時、生後6ヶ月だった息子も声を立てて笑っています。
「こらまあ、なんちゅうことだい。」とたまげて、ひっくりかえっているとらまつの姿が赤羽末吉さんによって、こっけいに描かれています。
次の日に仕返しにゆくとらまつですが、ワラビのような手と思っていたのは、ほうまんの池に棲むカッパ達の手だったのです。10匹のカッパ達に、こっぴどく頭突きを食らうとらまつ…
ごぼぼん、ごぼぼん、ぬくん、ぬくん、ぬくん…ほうまんの池のカッパ達が姿を現す時のオノマトペも子どもには面白く感じられるようです。 娘は、この絵本がよほど気に入ったようで、赤ん坊だった弟のことを「まつ」と呼ぶようになり、弟も「まつ」と呼ばれると返事をするようになりました。幼い姉と弟とのなつかしい思い出の一冊です。
種子島一の力持ちのとらまつとほうまんの池に棲むカッパ達のその後が少し不気味で、また愉快でもあります。椋鳩十さんの日本語のオノマトペを生かした民話調の語りと赤羽末吉さんの描くとらまつとカッパの愉快な姿が魅力の絵本です。国際アンデルセン賞優良作品賞、小学館絵画賞(第24回)受賞作品です。
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のねずみのぐりとぐらが、雪合戦をしていて、大きな足跡を見つけました。二匹は、その大きな足跡を辿ってゆきます。足跡の行きつく先は、ぐりとぐらのお家でした。
それからが、楽しみです。中にいたのは、誰でしょう。そして、どんな出来事が待ち受けているのでしょう。とっても美味しいお話です。
わが家の子ども達が幼い頃、何度も読み聞かせをした絵本です。子ども達は、ぐりとぐらと一緒に大きな足跡を指でなぞっていました。足跡を見つめていると、子ども達の小さな指先がふっと浮かんできます。
子ども達は、それが分かっていながら、読み聞かせのたびに、まるで初めて出会うような表情で、同じ場面を見つめていました。保育園が休みの日に、『ぐりとぐらのおきゃくさま』を読み聞かせすると必ずぐりとぐらがいただいた美味しいものを、「ママ、作って。一緒に作ろう」という弟。「ねえね(おねえちゃん)も一緒に作ろうよ」と知的なハンディを抱えている姉を誘って、エプロンを取りに行きます。
3人で作った美味しいもの、小さなエプロンをして、台に乗ってお手伝いをする幼い姉と弟のほほえましい思い出です。『ぐりとぐらのおきゃくさま』を信じることができた子ども達の幼い日の思い出は、母親の私にとっても大切な宝物です。
『ぐりとぐらのおきゃくさま』に出会える子ども達は、幸せだと思います。雪景色が美しく、森の動物達が愉快な絵本、ご家族でクリスマスの夜にいかがでしょうか。
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娘は点頭てんかんという重い病と知的なハンディを抱えて生まれてきました。抗てんかん剤の副作用で、昼間も眠っていることが多い乳幼児期でしたので、少しでも楽しいことを増やしてあげたいと思って始めたのが絵本の読み聞かせでした。ノンタンのシリーズや「ぐりとぐら」のシリーズがお気に入りでしたので、絵本が破れるほど読みました。
5歳年下の弟が1歳になった時でした。保育園で読み聞かせをしてもらったことがきっかけとなったようで、娘が『はじめてのおつかい』を保育園の図書コーナーから借りて来ました。娘が、自分から進んで本を借りるということは、初めてのことでしたので、びっくりしました。保育園の年長組の時でした。
ストーリーが長いし、言葉が多いので集中力が続くだろうかと心配しながら、読み聞かせをしましたが、1歳の弟も娘もにこにこ笑いながら、最後まで聞いてくれました。
表紙のみいちゃんの笑顔がとってもすてきです。『はじめてのおつかい』の絵本をすぐに購入しました。毎日のように読み聞かせをしているうちに、しばらくすると、みいちゃんの言葉を娘がたどたどしい発音ながら、真似するようになりました。その言葉を聞いて、弟が笑っています。微笑ましい姉弟の関わりでした。
林明子さんの絵は、絵そのものが、語りかけてくれるようです。『はじめてのおつかい』と出会って以来、言葉の理解が困難な娘にとって、絵本は言葉を覚えるために欠かせない存在となってゆきました。
『はじめてのおつかい』を読み続けて半年ほど過ぎた頃、夕方、豆腐屋さんのラッパが聞こえると、私が持っていたボウルとお金をくれるようにせがみました。娘にボウルとお金を渡すと、階段を降り、豆腐屋さんのバイクの前に並んで、自分の順番が来ると、大きな声で「おとーふ、くらさーい」と言いました。ベランダから、その姿を見ていて、うれしくなり、涙があふれてきました。10数年経て、絵本はぼろぼろになりましたが、娘にとっての「はじめてのおつかい」は、私にとっては、いつまでも朽ちない思い出です。
『はじめてのおつかい』は、言葉を獲得してゆく過程の幼い子ども達にとって、画期的な一冊ではないでしょうか。また、年齢に関係なく、みいちゃんと「はじめてのおつかい」の緊張と達成感を共にできる明るく楽しい絵本ではないでしょうか
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知的な障害を抱えた娘の笑顔が見たくて始めた読み聞かせでしたが、5歳年下の弟が生まれてからも育児が大変な中、毎晩欠かさず読み聞かせを続けました。朝昼晩と時間帯に関係なく、絵本を持って来て、膝の上にすわったら、いつでも読んであげました。
もし、娘が知的な障害を抱えていなかったら、ここまで読んであげることができただろうか・・・とふと思います。
娘が二冊目に気に入った絵本は、『ぐりとぐら』でした。
以下は、福音館書店のホームページ、「みんなの広場」-ぐりとぐらの思い出に投稿した文章です。
歌うように読んだ絵本 『ぐりとぐら』
『ぐりとぐら』は、知的な障がいを抱える娘が喜んだ2冊目の絵本です。娘は、点頭てんかんという癲癇の中でも最も重い病を患って生まれてきました。生後10ヶ月の時から抗てんかん薬を服用していますので、乳幼児期は眠っている時間が長く、起きているときもぼーっとしていました。 その娘が2歳の時に初めて反応したのが『あかんべノンタン』でした。それ以来、娘の喜ぶ表情を見たいためにすがるように始めた読み聞かせです。
1年ほど経て、3歳になった娘に『ぐりとぐら』をよんであげました。すると、本当に嬉しそうに絵本を眺めていました。もう私もうれしくて、うれしくて、「ぐりとぐら」のシリーズを本が破れるほど読んであげました。
どの本も言葉がリズミカルですので、歌うように読んであげました。 娘を膝に抱いて読んだ『ぐりとぐら』、幼かった頃の娘の体のぬくもりや絵本のぐりやぐらを触っている小さなてのひら・・・今でも、時々思い出して、ほんわかした気分に浸っています。
その娘も23歳、養護学校の高等部を卒業して、福祉工房に勤めています。時々思い出したように、ぼろぼろになった『ぐりとぐら』を本棚から出して眺め、母親の私が口ずさんだメロディーをハミングしています。
娘の笑顔を見たいがために始めた読み聞かせでしたが、自分の方が絵本や童話の世界にすっかりはまってしまいました。 音痴な私が歌うように読んだ思い出の一冊です。
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