004 新藤悦子

2022年10月20日 (木)

新藤悦子著『いのちの木のあるところ』刊行記念 複製原画展(@早良南図書館)

 「ほのぼの文庫」を訪れてくださり、ありがとうございます。  本業多忙のため、ブログの更新ができずにいましたが、本日、福岡市の早良南図書館で開催中の『いのちの木のあるところ』(新藤悦子著/佐竹美保絵)の刊行記念 複製原画展に出かけました。繊細で大胆な挿絵を見て、物語の感動がじわっと深まりました。会期は10月末までです。(感想を書くノートがありますので、そちらに感想を書くと特製しおりがいただけます!)

 

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2020年10月19日 (月)

新藤悦子著『アリババの猫がきいている』がThe White Ravens 2020に選定されました!

新藤悦子さん『アリババの猫がきいている』、梨屋アリエさん『きみの存在を意識する』の2冊が、2020年の国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ(The White Ravens 2020)」に選定されました!

 

「ホワイト・レイブンズ」は、ミュンヘン国際児童図書館が、世界の優れた児童書を多くの国の子どもに読んでもらうことを目的に作成するリストで、各国の児童書関係者から高い評価と注目を集めています。こちらをご覧ください。

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2020年3月29日 (日)

新藤悦子著『南方熊楠: 森羅万象の探究者 (伝記を読もう) 』– 2019/4/1

 ブログ「ほのぼの文庫」を訪れてくださいましてありがとうございます。

 本業の英語科教員としての仕事があわただしく、ブログの更新を滞っていましたが、休校中の生徒たちに薦めたい一冊を紹介させていただきます。児童文学作家の新藤悦子さんが2019年4月1日にあかね書房から出版された伝記『南方熊楠: 森羅万象の探究者 (伝記を読もう) 』です。以下、まざあぐうすの書評です。

 

書評:南方熊楠~自らの才能を生き抜く

 トルコや中近東に関するノンフィクションやファンタジーなど様々な作品を発表してきた児童文学作家の新藤悦子さんが南方熊楠の伝記を手がけました。子供向けの伝記は初めての試みだそうです。

 博物学者、生物学者、民俗学者して知られる南方熊楠は、実際には一言で言い尽くせない肩書をもつ人物です。1867年、和歌山城のそばで生まれた熊楠は、子どもの頃、驚異的な記憶力を持つ神童でした。並外れた読書家で、旧制中学入学前に『和漢三才図会』『本草綱目』『諸国名所図会』『大和本草』『太平記』を書き写したほどの筆写魔でもありました。
 
 海外に渡ることが珍しい時代にアメリカやイギリスに渡り、英語やフランス語をはじめ、行く先々のことばを駆使して、様々なことを独学で学び、世界各地で発見、採集した地衣・菌類や、科学史・民俗学・人類学に関する英文論考を、『ネイチャー』と『ノーツ・アンド・クエリーズ(英語版)』に次々と寄稿しています。自然保護運動における先達として、生態学(ecology)を早くから日本に導入したことでも有名です。
 限られた人生の時間の中で、どうしてこんなにたくさんのことができたのでしょう。その疑問に答えるかのように、生物学者としての熊楠、民俗学者としての熊楠、自然保護活動家としての熊楠、また、家庭人としての熊楠の姿を臨場感あふれる語り口で、浮き彫りにしています。エネルギッシュで、時にエキセントリックな南方熊楠の生きざまを通して、「学ぶ」ことの意味や「自分の才能を生き抜く」ことの大切について考えさせられる伝記です。

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2017年6月 4日 (日)

日本児童文学者協会 研究部 連続トークイベント

 日本児童文学者協会研究部主催の「連続トークイベント 子どもの本のひみつ」第一回にトークゲストとして児童文学作家の新藤悦子さんがお話しされます。


日時:6月17日(土)3時から5時
会場:豊島区立目白図書館地下集会室
資料代:500円、定員30名(当日受付・先着順)

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2015年8月11日 (火)

「つばめのつんちゃん」(2015年6月27日読売新聞夕刊)

 去る6月27日読売新聞夕刊に新藤悦子・文、こみねゆら・イラストで、「つばめのつんちゃん」という掌篇が掲載されました。
 かつて、新藤悦子さんの作品にこみねゆらさんがイラストを添えられた『空とぶじゅうたん』という類まれに美しい絵本がありました。1996年に日本ヴォーグ社より刊行後、絶版となっていました。2004年5月に、私(まざあぐうす)が復刊ドットコムにリクエストを出し、2年越しの願いが叶いました。

 2006年10月にブッキングより復刊されました。『空とぶじゅうたん』を定本に判型、装丁デザインを一新し『空とぶじゅうたん 1』、『空とぶじゅうたん 2』の2冊に分冊して刊行。復刊にあたっては、ストーリーはそのままでテキストの全面的な改稿がなされました。また、全ページフルカラーとして、より美しい絵本として蘇りました。

  そんな経緯がありますので、このたびのお二人の作品の久々のコラボをとてもうれしく思いました。

 9月1日には神童さんの新刊『イスタンブルで猫さがし』がポプラ社から刊行予定。お薦めします。

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2014年6月16日 (月)

新藤悦子さんの新作『手作り小路のなかまたち』が出版されました!

 新藤悦子さんの新刊『手作り小路のなかまたち』が出版されました。おしゃれで美味しくてあったかい物語です。  

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 悦子さんは大学卒業後、単身トルコのカッパドキア地方に滞在し現地の女性ハリメさんの指導の下に絨毯を織り上げました。その時の体験を綴った『エツコとハリメ』を皮切りに中近東を巡り、『羊飼いの口笛が聴こえる』や『チャドルの下から見たホメニイの国』などルポを書いています。  
 中近東の言い伝えを下に綴った『空とぶじゅうたん』の5つの物語は2006年ブッキングから2冊分冊大型絵本として復刊されました。以来、児童文学の作品を手がけています。『青いチューリップ』では日本児童文学者協会新人賞を受賞、子どもの本の語り手として活躍中です。新作『手作り小路のなかまたち』、大人でも十分楽しめます。

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2012年10月14日 (日)

新藤悦子著『ヘンダワネのタネの物語』(ポプラ社)

 ノンフィクション作家・児童文学作家の新藤悦子さんの新作『ヘンダワネのタネの物語』がポプラ社より出版されました。

 ヘンダワネとはイラン語でスイカのこと、日本で育ったイラン人の少年アリと、絵ばかり描いていて、「ヘンな女子」といわれる直。反発しながら、お互いへの思いやりを素直に示せない二人が、ヘンダワネのタネの不思議な力を通して、深い友情を交わす物語。自分とは何かについて深く問われる児童文学作品です。

 

 新藤悦子さんに関する「ほのぼの文庫」の過去記事は、こちらです。

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2011年7月27日 (水)

久しぶりの読書と映画鑑賞

 諸事情で転居しました。

 娘、息子、自分の引っ越しを終え、ようやく荷物整理が終わり、ネットの環境も整いました。久しぶりの読書は、新藤悦子著『ロップのふしぎな髪かざり』、そして、映画鑑賞は『西の魔女が死んだ』。

 どちらも魂というものを感じる物語。引っ越しで疲れた心と体が洗われるようでした。

 新藤悦子さんの新作、お薦めします。

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2009年10月 7日 (水)

(追記あり)16世紀のトルコを舞台とした深遠な冒険物語〜魂を満たし、歴史への関心や人間を超えるものへの洞察を促す良書  『青いチューリップ』

 2009年10月2日に聴講した「ヤングアダルト児童文学から世界が見える」の資料で『青いチューリップ』が紹介されていましたので、改めて書評をアップさせていただきました。

青いチューリップ (講談社文学の扉) Book 青いチューリップ (講談社文学の扉)

著者:新藤 悦子
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 クルディスタンの山の中腹に咲く青いチューリップは、クルディスタンに春を告げる花だ。「ラーレ、ラーレ、青いラーレ」と歌うのは、羊飼いの少年ネフィム、ラーレと呼ばれるのはチューリップ。原産地のトルコではラーレは赤い花だった。ネフィムは「青い」という言葉に力を込めて歌う。「大地が血で染まろうと、天空に咲くは青いラーレ」とどこからともなく、しゃがれた声が響いてきた。父親のカワとネフィム以外の誰も知らないはずの歌の続きだ。チューリップの群生の中に男が倒れていた。ネフィムは、あわててカワを呼びに行く。
 男の名は、バロ。オスマンの国の都イスタンブルからやってきた流れ者だ。時は16世紀、スルタン・スレイマン一世のオスマン・トルコの全盛の時代である。スルタンは、建築家のシナンに命じて、アヤソフィアを凌ぐモスクを建築することを計画している。クルディスタンの秘境で咲きほこる青いチューリップは、都では幻の花と言われている。スルタン・スレイマンがハレムの庭に欲しがっている花であることをバロは告げる。
 父親のカワとともに青いチューリップの球根を持って、聖地エユップに巡礼の旅に出たネフィムは、神学校の教授アーデムの屋敷に引き取られることになり、教授とともに青いチューリップの交配による品種改良を行うことになった。
 7年もの月日を費やして品種改良されたチューリップのアーモンド形の蕾から、青い花が開いた。宮廷の絵師頭シャー・クルーが「ペルシアの空の青だ」とうなる美しさ、目の覚めるような青、本物の青の中の青。妖しいほど美しい青であった。
 「ラーレ、ラーレ、青いラーレ」と歌いながら、病床から起きてきたアーデム教授の妻アイラは、ようやく咲いた3本の青いチューリップを引きちぎってしまった。一瞬のできごとだった。「青いラーレ」の歌は、アイラの母親であるライラの形見の歌だ。「こんな花、咲かせてはいけない。よからぬことが、かならず起こります。」とアイラは言う。
 アイラの言葉どおり、よからぬことが起こり始めた。

 ネフィムとその父親のカワ、アーデム教授とその妻アイラ、娘のラーレ、アイラの父でありラーレの祖父である宮廷の絵師頭シャー・クルー、シャー・クルーの亡き妻ライラ、シャー・クルーの弟子メフメット、アーデム教授の屋敷を守る乞食の頭のジェム、屋敷のお手伝いのセマ、山の長老団を率いる山賊の長カジェ…16世紀のトルコを生きた人々の青いラーレの歌と青いチユーリップを巡る冒険物語。中近東、特にトルコに造詣が深い作家新藤悦子さんが初めて書き下ろした児童書である。
 登場人物の一人一人が生き生きと描かれている。アヤソフィア、キャラバンサライ、スルタンの宮廷、辺境の地、巡礼の人々の様子、奴隷市、トルコの人々が愛したお菓子、キリム、シャフメーランの言い伝えなど、細やかな描写の中に、16世紀のトルコの生活が見事に甦っている。トルコのカッパドキア地方に留まり、中近東を旅し、中央アジアの遊牧民とともに過ごした作者ならではの語りではないだろうか。作者は、都イスタンブルより、辺境の地での貧しく、苦しい生活の中で力を合わせて生きている人々を語ることに多く筆を割いている。アーデム教授も青いチューリップの球根をスルタンには渡さなかった。幻の青を追うあまりに、目の前に咲く赤いチューリップが見えなくなるからだ。「文様にだって生命がある。目に映るものを、一度殺して、新たな生命を吹き込む、それが文様というものじゃ」という絵師頭シャー・クルーの言葉や、「パンは飢えを満たし、絵は魂を満たす。」という山の長老団の長カジェの父親の言葉が心に残る。天才建築家シナンへの興味や中近東の歴史への関心を促し、人間を超える偉大なものへの洞察を促す。児童書とは言え、大人まで味わうことができる深遠な冒険物語、魂を満たす良書ではないだろうか。

追記 本書は、2005年度に第38回日本児童文学者協会新人賞受賞しています。

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中近東の絨毯を巡る愛と幻想の物語 ~ 近年稀にみる美しい絵本としてお薦め!(新藤悦子著・こみねゆら絵)『空とぶじゅうたん』(ブッキング)

空とぶじゅうたん〈2〉 Book 空とぶじゅうたん〈2〉

著者:新藤 悦子
販売元:ブッキング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

空とぶじゅうたん〈1〉 Book 空とぶじゅうたん〈1〉

著者:新藤 悦子
販売元:ブッキング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  『空とぶじゅうたん 1』、『空とぶじゅうたん 2』は、1996年に日本ヴォーグ社より刊行された同名書籍『空とぶじゅうたん』を定本に2006年10月にブッキングより復刊された絵本です。判型、装丁デザインを一新し2冊に分冊して刊行。復刊にあたっては、ストーリーはそのままでテキストの全面的な改稿がなされました。『青いチューリップ』にて2005年度第38回日本児童文学者協会新人賞を受賞した作者・新藤悦子氏の力量が感じられるリライトです。また、全ページフルカラーとして、より美しい絵本として蘇りました。

2004年5月に、私(まざあぐうす)が復刊ドットコムにリクエストを出し、2年越しの願いが叶って復刊した記念の絵本です。

 トルコやイランに残る言い伝えをもとに、新藤悦子氏のたぐい稀な創造力で織り上げられた愛と幻想の物語。『空とぶじゅうたん1』には、 「糸は翼になって」、 「消えたシャフメラーン」 、「砂漠をおよぐ魚 」の三篇が、『空とぶじゅうたん2』には、「ざくろの恋 」と「イスリムのながい旅」の二篇の物語が収められています。
 
 2冊の絵本を手にとって開いてみてください。絨毯にまつわる5つの物語に、こみねゆら氏のすばらしいイラストが添えられています。 各ページを囲む絨毯のイラストは、絨毯を織り上げている一本一本の糸をたどるかのように繊細に描かれています。ページを開くたびに、まるで自分が絨毯に座っているかのような感触を覚えます。丹精をこめて描かれたイラストが、読者であるあなたを物語の世界に深く誘います。

 近年稀に見る美しい絵本として、大人のあたなへも、また、お子さんへの読みきかせの絵本としても、力をつくしてお薦めします。

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追記 2009年2月28日 こちらのブログでご紹介いただいていることが分かり、大変うれしく思いました。

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