講演会

2010年5月13日 (木)

絵本の読み聞かせのための基礎講座(主催 目黒区八雲図書館)

 今日は、目黒パーシモンホールで開催された絵本の読み聞かせのための基礎講座を聴講しました。講師は、JPIC読書アドバイザー 児玉ひろ美氏。

 読み聞かせとは、特別なものではなく、大人が子供にしてあげなくてはならないことの一つであり、子どもと一緒に楽しめる素朴な行為である。

 子どもに美しいことば、良いことばをかけてあげたいという大人の思い→絵本を読んであげるという行為につながる。

 絵本は子どもが人生でであう初めての書物。

 良い絵本は子ども達の心の良い栄養となる。

 読んでくれた人の価値観が絵本の読み聞かせを通して、子ども達に伝わり、物事の判断の基準にもなりうる。 ・・・の他、年齢に合わせた絵本の選び方や読み聞かせの絵本の選び方などこれまで自分の子ども達への読み聞かせや絵本・児童文学研究センターで学んだことを振り返ることができました。

 絵本の紹介の中で心に残ったものは・・・

トライフル・トライアングル Book トライフル・トライアングル

著者:岡田 依世子
販売元:新日本出版社
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 昨今、ニュースにもなっている子どもの性同一性障害をテーマとした絵本。

ぼく おかあさんのこと… Book ぼく おかあさんのこと…

著者:酒井 駒子
販売元:文溪堂
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 子どものネグレクトをテーマとした絵本。

 いずれも読み聞かせで読むかどうかの判断を要する絵本ですが、一読に値する絵本だと思いました。

 5月27日(木)、6月3日(木)とワークショップが続きます。

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2010年5月 7日 (金)

絵本作家:小林 豊さんのお話『今子どもたちに伝えたいこと』

 今日は、この本だいすきの会 ねりま支部主催の練馬区教育委員会委託 子育て支援学習講座で、小林豊氏(絵本作家)のお話を伺いました。「せかいいちうつくしいぼくの村」、「ぼくの村にサーカスがきた」、「せかいいちうつくしい村へかえる」 以来、小林作品のファンですので、こひつじ文庫のマーガレットさんからお知らせがあって以来、楽しみにしていました。

あいたい友だち (どんぐりえほんシリーズ) Book あいたい友だち (どんぐりえほんシリーズ)

著者:小林 豊
販売元:佼成出版社
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 新作『あいたい友だち』のマーガレットさんによる読み語りに始まり、小林さんが絵本を通して、読者(子ども達)に伝えたいことや絵本を描く(書く)にあたって大切にしていること、取材旅行で印象に残ったことや今の社会に対して思うことなどが語られました。
 『あいたい友だち』には、取材旅行で訪れた国の中で、いちばんことばがあった(交わされていた)地域を描かれたとのこと、ボスボラス海峡からはじまり、スペインの港や中東の国境、バルカン半島など、ページをめくりながら、それぞれの地域で感じたことをエピソードを交えながら語ってくださいました。

 ・絵本を描く(書く)のは子ども達のため。
 ・自分の生活の場から見えることは限られているので、絵本を描く(書く)ために取材旅行に行ったり、子ども達と語り合うように努めている。また、子どもの興味(疑問)に絵本の中で答えられるように努めている。
 ・絵本を描きはじめた最初から「ぼくの村」について描いて(書いて)いる。
 ・歴史の流れの中で、今自分が見た「村」を描いて(書いて)、いろんな視点、いろんな価値観、いろんな村があるということを次の世代に提示していきたい。
 ・平和を希求するよりも、なぜ、戦争を起こしたのか?という検証が必要。
 ・戦争の被害者にみんなで同情するという視点では、これからの絵本は書けない(描けない)
 ・今は、世界が行き詰って、どこに向かっているのか分からない時でもあるが、それは、考え直し、思い直し、子ども達と語り合う良い動きができる時でもある。etc...

 全てが先生の経験に基づいたユーモアたっぷりのことばで語られ、あたたかく心に響きました。

 テレビや新聞、雑誌を通して伝えられる情報のことばには、全て意図して作られたストーリーがあるので、大人がその一つ一つを検証して、子ども達と共に語り合う必要があるということなど、絵本に描かれた諸外国の風景と人々の様子から現代社会の行き詰まりや問題点が浮き彫りにされ、今、大人(親)として、子ども達に伝えるべきこと、知らせるべきことを教えていただき、大変有意義な会でした。

 小林豊先生、マーガレットさんをはじめ、この本だいすきの会 ねりま支部の皆様、ありがとうございました。

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2009年10月 2日 (金)

(追記あり)「ヤングアダルト児童文学から世界が見える」 第3回図書ボランティアフェスタ@あおば学校支援ネットワーク

 今日は、あおば学校支援ネットワークの第3回図書ボランティアフェスタのYA(ヤングアダルト)講座を聴講しました。講師は竹内より子さん(日本児童文学者協会国際部の副部長、オンライン小論文作文教室「言葉の森」講師、ブログ「ココナツ・カフェ」にて児童書についての情報収集発信とともにタイの児童文学に関する評論を多数書かれています)。

 テーマは、ヤングアダルト児童文学から世界が見えるでした。

 YAは児童書の中でも大人の本と子どもの本のかけ橋のような存在ですが、その中から、国際貢献、グローバルな視野をテーマとした本が紹介されて、大変興味深い内容でした。

  •  『草花とよばれた少女』(シンシア・カドハタ)(白水社)
  •  『ニンジャ×ガリレオ×ピラニア』(グレッグ・ライティック・スミス)(ポプラ社)
  •  『砂漠の国からフォーフォー』(中川なをみ)(くもん出版)

 この3冊が事前資料にて紹介されていましたので、読んでみました。1冊目は第二次世界大戦中の日系の女の子が花農家で健気に生きる姿や強制収容所に入れられてからのネイティブアメリカンの男の子と関わりが語られていました。日系の少女の姿を通して、日系移民のアメリカでの苦難の歴史を知らされる貴重な物語だと思いました。3冊目はニジェールに海外青年協力隊員として派遣された若い女性と現地の人々との関わりが語られていて、国際貢献とは・・・?ということを考えさせられる一冊でした。

 多くの出版物、特に、児童文学作品の中で、海外で過ごす日本人(日系人も含む)の姿が語られた作品を見出すのは至難の業ですので、講座を通して良書に出会えたこと、そして、台湾という国からグローバルな視野の作品を世界に向けて発信している絵本作家Jimmy Liaoさんの映像やタイのアニメーションやタイの作家(プラープダー・ユンさん)の対談の映像を観ることができて充実した2時間でした。参加者の皆さんの感想もそれぞれにユニークで時間が限られていることが残念に思われました。

 この講座に関しては講師の竹内より子さんが、ご自身のブログ「ココナツ・カフェ」に、その内容と感想をアップしてくださっています。下記をご参照ください。

 ・ヤングアダルト文学から世界を広げるという講座やってきました

 ・飛び出すタイ王室農業プロジェクト絵本!

草花とよばれた少女 Book 草花とよばれた少女

著者:シンシア カドハタ
販売元:白水社
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2009年7月18日 (土)

鼎談「狸どもの恩恵? -物語がうまれるとき」 梶山俊夫(画家)+高桜方子(作家)+アーサー・ビナード(詩人)@津田ホール

 昨日は津田ホールで開催された下記の鼎談を聴講しました。

 画家・作家・詩人、それぞれの創作の源をたどって

 鼎談「狸どもの恩恵? -物語がうまれるとき」

 梶山俊夫(画家)+高桜方子(作家)+アーサー・ビナード(詩人)

  画家、作家、詩人それぞれの創作の舞台裏を、「昔話」の豊かな土壌から作品が生み出される過程を通して語り合う

  •  7月17日(金)
  •  18:00~19:30
  •  津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス 津田ホール

 主催:津田塾大学 後援:津田塾大学同窓会 協力:JBBY

ものしりプクイチ (教育画劇の創作童話) Book ものしりプクイチ (教育画劇の創作童話)

著者:たかどの ほうこ
販売元:教育画劇
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2009年6月 7日 (日)

上田真而子氏講演会 ― ナルニア国10周年記念連続講演会児童文学で世界を巡る・第1回

 今日は、ナルニア国10周年記念連続講演会児童文学で世界を巡る・第1回―上田真而子氏講演会を聴講しました。主催は、教文館子どもの本のみせナルニア国です。

 講演題 “いま思うこと これまで訳してきた本を手がかりに”
 
1 生きていることのおもしろさ、生きる悦びを― 本で!
 『マクスとモーリツのいたずら』や『きつねのライネケ』
 前者は、いたずら好きの子ども達、残酷な話として総じて批判的な受け止め方をされたが、せめて本の中だけでも子ども達にいたずらをさせてもよいのでは? また、後者については、「教訓のない物語」と評されたが、それでもよいのでは?

きつねのライネケ (岩波少年文庫) Book きつねのライネケ (岩波少年文庫)

著者:小野 かおる,ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ
販売元:岩波書店
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2 伝わるということ、追体験ということ ― 本で!
 『あのころはフリードリヒがいた』『彼の名はヤン』
 本を読むということは、言葉でもう一つの世界に入ってゆき、追体験をすること、現実に帰ってきたとき、自分の世界に奥行きができる。

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520)) Book あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

著者:ハンス・ペーター・リヒター
販売元:岩波書店
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彼の名はヤン Book 彼の名はヤン

著者:イリーナ コルシュノフ
販売元:徳間書店
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3 言葉での表現―言葉から生まれるもの、養われるもの、言葉のふしぎ。
 『はてしない物語』
  名づける=真の関係が生まれる、言葉から養われる感情が存在する
(現在、言葉が痩せている、感情が痩せているのではないかと危惧している。本を読むことで得られる世界は、量的な世界ではなく、質的な世界である。)

はてしない物語 Book はてしない物語

著者:ミヒャエル・エンデ
販売元:岩波書店
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 『おくればせの愛』
 資料に基づかず、全て自分の感情に基づいて書いた作品。
 書いている内にひとりでにペンが動き、書くこと(言葉)を通して、父の思い出と出会い、父との和解を果たす。
 資料に基づいて書いていたら、ここまで読者に訴える作品とはならなかったのではないか。書くことの不思議を感じる作品。

Book おくればせの愛

著者:ペーター ヘルトリング
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

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