写真は、巨峰。

 夢の中で和尚の山の辺りを散歩していた綿貫はゴローについて、西洋音楽を奏でる楽隊と洋装をした男女の集いに出会う。硝子の杯を片手に談笑している。中央に大きな円卓があり、座ると葡萄をどうぞと勧められる。

 艶やかに手招く葡萄は赤紫。露を帯び、こぼれんばかりの房が円卓の中央を飾っていた。