
綿貫は、雪の残った疎水の出てで、小鬼を見つけた。玉蜀黍のひげに酷似した、白銀色のもつれた糸玉の如き髪の中から、まごうかたなき三角錐の象牙色の角が顔を出していた。興味津々で見ていると、「ふきのとうを取って来いと云われたのだ。」と言う。
辺り一面のふきのとうを集めて、小鬼の50倍はあろうと思われる重さと思われる。結構な量を、蜘蛛の糸を寄り集めたような網で全部括り始め、片手でかろがろと持ち上げて持っていった。
学名:Petasites japonicus
花期:春
いち早く春を告げるものとして,てんぷらネタにしたり,味噌汁に入れたりと食卓を飾ることも多いですね。写真ではもう分かりますが,実はこれ,蕗の花なのですね。この後,もっと伸びてしまうと,まさに「薹が立つ」ということになる訳です。北海道へ旅行したときに,支笏湖畔で見た蕗の薹は背丈ほどもある大きなものでした。本州にある蕗と違うのでしょうね。北海道の民話に出てくるコロボックルという妖精は蕗の葉の下に住むと言いますし,雨が降ったときには蕗の葉を取って傘の代わりにするとも言いますから。(Botanical Gardenより)