木肌はすべすべとしていて撫でると誠に気持ちがよろしい。主人公綿貫が文章に躓いて考えあぐねて庭を回っているときには、つい、サルスベリを撫でてやるのが日課となっている。

 「野菊」の章では、猿が座っていて猿がすべらないので、山内が綿貫に「サルスベリ」ではなく「サルスベラズ」ではないかと言う。そして、「たとえば、さるすべりの五文字の順番を入れ替えて・・・」「リサベル!」と呼ぶことを提案する。
 「リサベル!」と山内が呼びかけると、サルスベリはうなずくように幹全体を大きく一度上下に揺らした。

花期:夏

 キョウチクトウ(夾竹桃)と共に夏を代表するような花です。木の幹は文字どおりつるつるしています。名前の付けられかたが似ているものとして,ニチニチソウ(日々草),ヒャクニチソウ(百日草),センニチコウ(千日紅)があります。(Botanical Gardenより)