ダァリアの君の幼友達が疎水べりで首吊りをした。

 小舟が幾艘も連なって川下から夕靄の中を滑るように遡ってやってきた。 
 嫁入り行列らしい。
 真っ白な装束をきた娘さんにダァリアの君が「佐保ちゃん」と呼びかけ、手にしていた白いサザンカの花を投げかける。

 綿貫に気づいたダァリアの君が「隣の家の幼友達なんです。急なことだったので、ハナが間に合わなくて。この辺り一帯の、早咲きの白いサザンカをみんな集めてきたんです。」という。


学名:Camellia sasanqua
花期:冬

 “山の茶の花”という名前よりははるかに豪華な花です。特に,冬の色気のない景色の中で赤や白の山茶花の花は目立ちますね。ところで,山茶花と椿は似ていますけど,どこが違うと思いますか?ツバキ(椿)の花は落ちるときにボテッと全部一緒に落ちてしまいます(このことが斬首刑を連想するのか,武士は椿の花を嫌ったそうです)が,山茶花は花びらが一枚いちまいばらばらに散ります。
 また別の話になりますが,小さい頃さざんかは知っていても(焚き火の歌...知ってますよね),漢字で書かれているのが読めませんでした。昔の俳優に“山茶花究”という人がいましたが,この命名の由来は“さざんがきゅう(3 × 3 = 9)”だったそうです。